みなさんは普段映画やアニメを見ていて「この色味の写真が撮れたらいいなぁ」なんて思うことはないでしょうか?
なんとか再現しようとしてホワイトバランスや色味を設定して撮影してもなんか違う・・・
あとからレタッチして表現しようとしても、なかなかうまくいかない・・・。あの独特な色を気軽に表現できたら写真撮影がもっと楽しくなるはず!
フジフイルムのミラーレスカメラであれば、全機種に搭載されているフィルムシミュレーション機能でエモい写真を撮ることができますよ。
▼例えばこんな写真!
撮影協力:ふにゃんさん
twitter@reirei_mf
ふにゃんさんインタビュー記事
そこで今回は、JPEG撮って出しで上のような映画っぽい写真が撮れる設定の数々を、FUJI X weeklyを参考におすすめレシピをいくつか紹介したいと思います!
この記事の内容
- フジフイルムのフィルムシミュレーションとは?
- 映画風!人気フィルムシミュレーションレシピ!
今までフィルムシミュレーション機能そのままの設定で使っていた人や、フジフイルムのカメラに前から興味があった人はきっと参考になるはずなので是非ご覧ください!
▼おすすめカメラ
▼比較記事
フジフイルムのフィルムシミュレーションとは?
フジフイルムのカメラには様々なフィルムプリセットが搭載されています。
デジタルで再現された昔ながらのフィルムを自由に選んで撮影を楽しむことができますよ。
※機種によって使用できるフィルムが異なります。
撮影意図に合わせてフィルムを替えながら撮影する感覚を味わえるのがフジフイルムの特徴です。選んだフィルム情報を元に、シャドーやハイライト、色の濃さなども細かく調整できるので、オリジナルのエモいを撮影できます。
次の項目では、海外でも人気の「フィルムシミュレーションカスタムレシピ」を紹介します!
気にいるものがあればカメラ内にプリセット登録して、いつでもワンタッチで使えるようにしてみましょう!
カメラの設定方法
記事を参考に、基準となるフィルムシミュレーションを設定したら各項目を設定していきましょう。
フィルムシミュレーションの設定ができたら、本記事で紹介していくホワイトバランスやシャドウハイライトなどの項目を設定していきます。
各項目の設定が終わったらすぐにカスタム登録(プリセット登録)をするのがおすすめです!撮影中にワンタッチで切り替えができるようになります。
カスタム登録のやり方は、セットアップメニューから「操作ボタン・ダイヤル設定」に入り、自分の覚えやすいボタン(画像ではセレクトボタンの下)にカスタム選択プリセットを登録しておくと、登録したフィルムモードを撮影中にすぐ呼び出すことができます。
機種によって少し表示が違うけど、設定方法はこんな感じですね。
それではフィルムのカスタマイズ設定を紹介していきます。
映画風!人気フィルムシミュレーションレシピ!
①:色褪せても思い出の蘇るセピア調ヴィンテージフィルムの決定版!
以下作例
📷 Using Grizzly Ride film simulation recipe by Immanuel Sander
Fun stuff#photography #fujixt4 #xt4 #fujifilm #photo #film #filmsimulation #photooftheday #grizzlyride #grizzly #colorprofile #fujiweekly #filmsimulation #filmsimulationrecipe #reflection #Window #recipes pic.twitter.com/jkucuJyMG5
— Michael Montecillo (@chaelmontecillo) November 19, 2022
設定可能カメラ
- X100V
- X-pro3
- X-T4
- X-S10
- X-E4
- X-T30 II
良い意味で古く色褪せたシネマライクな写真を撮影することができる、オールドでクラシカルなフィルム設定です!
ヴィンテージ調の写りが目を引くこちらの設定は、7000ケルビンのホワイトバランスにR +3B-7をシフトすることで、古さを醸し出すセピア色が自然に盛り込まれています!また、彩度やシャープネスを下げ、粒子の大きいノイズを加えることでマットな仕上がりを表現。色の濃い被写体でも対応できる柔軟さはストリートスナップにも最適です。
気になる設定はこちら!
設定項目【エテルナ ブリーチバイパス】 | 値 |
グレイン・エフェクト | 強/大 |
カラークローム・エフェクト | 強 |
カラークローム ブルー | 強 |
ホワイトバランス | K7000/R+3・B-7 |
ダイナミックレンジ | DR200 |
Dレンジ優先 | OFF |
トーンカーブ(ハイライト/シャドー) | 0/+2.5 |
カラー | -2 |
シャープネス | -4 |
高感度ノイズ低減 | -4 |
明瞭度 | -5 |
好みによってシャドーが明るいと感じる場合があるかもしれません。その場合はシャドーを.5ポイント刻みで調整してみましょう。
また、この設定の醍醐味であるビンテージ感を出すためのポイントはホワイトバランスシフトB-7なので、もし色味を多少変更する場合はRから調整をかけていくのがおすすめです!
②:柔らかクリーミーな質感は、なんだか観たことのある統一感を生み出す!
以下作例
Porto en Juillet avec la simulation de film/réglages Fuji « Bright Summer » pic.twitter.com/YNBYCNGI8a
— PofudukPanda (@PofudukPanda92) August 20, 2022
設定可能カメラ
- X100V
- X-pro3
- X-T4
- X-S10
- X-E4
- X-T30 II
クリーミーな色味が特徴で、かつ淡い色合いでありながら太陽光によるコントラストをうまく取り込んだフィルム設定です!
柔らかでクリーミーな色合いを表現するために、彩度は高く明瞭度は極限まで下げられています。また、白飛び黒潰れを抑えたトーンカーブの設定により、太陽の位置が高く天気の良いサマーシーズンには最高の写真が生み出されます!
気になる設定はこちら!
設定項目【クラシッククローム】 | 値 |
グレイン・エフェクト | OFF |
カラークローム・エフェクト | 強 |
カラークローム ブルー | OFF |
ホワイトバランス | K7050/R-4・B-2 |
ダイナミックレンジ | DR400 |
Dレンジ優先 | OFF |
トーンカーブ(ハイライト/シャドー) | -2/-2 |
カラー | +4 |
シャープネス | 0 |
高感度ノイズ低減 | -4 |
明瞭度 | -5 |
ホワイトバランスは7050に設定されていますが、天候具合で下げるのもあり。下げすぎないように留意しつつ、特徴的な淡い黄色みはキープしましょう!レッドとブルーの項目も好みに応じて1ポイント動かしてもいいと思います。
構図に入る”色”を生かすため、なるべく無駄を排したフレーミングで鑑賞者により淡い印象を与えましょう!
③:暖かさに包まれたその記憶を辿ると、あの頃の思い出が蘇る!
以下作例
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設定可能カメラ
- X100V
- X-pro3
- X-T4
- X-S10
- X-E4
- X-T30 II
”人の記憶”にフォーカスした、温かみがあるコントラストの暖色が特徴的なフィルム設定です!
ポイントはホワイトバランスの蛍光灯1を使用しているところ。シャドーは上げてカラークロームは弱めに設定。その上で彩度を高めているので、画角全体が自然な暖色で覆われた表現が可能になっています!
気になる設定はこちら!
設定項目【クラシッククローム】 | 値 |
グレイン・エフェクト | 弱/小 |
カラークローム・エフェクト | 弱 |
カラークローム ブルー | 弱 |
ホワイトバランス | 蛍光灯1/R+2・B-5 |
ダイナミックレンジ | DR400 |
Dレンジ優先 | OFF |
トーンカーブ(ハイライト/シャドー) | 0/+2 |
カラー | +3 |
シャープネス | -3 |
高感度ノイズ低減 | -4 |
明瞭度 | -4 |
レンズや仕上がりの好みによって、シャープネスの項目は自由度があっていいかもしれません。この暖色をどんなイメージで表現したいかでピント面の解像度を調整してみましょう!
明瞭度の項目がない機種で表現する場合は、ハイライト-1にシャドウ+1の調整をしてみるか、FujiやAdobeソフトのレタッチで明瞭度の項目だけ加工するのもありです。
④:尖った色味の中に溢れるノスタルジーがたまらない!
以下作例
Damn, I love the xpro 62 film receipt from fujixweekly pic.twitter.com/yijN7NNEcF
— Tobias Hartmann – hamato.tez/.eth 📷 (@h4m4t0) March 20, 2022
設定可能カメラ
- X100V
- X-pro3
- X-T4
- X-S10
- X-E4
- X-T30 II
強烈なグリーンが印象的な”尖った写真”を撮影することができる、かなりクセのある色味のフィルム設定です!
明瞭度シャープともに弱いですが、ブロックノイズが強くハイライトと彩度の設定が強い調整のため、柔らかでありながら印象に強く残る絵作りができます!
気になる設定はこちら!
設定項目【クラシックネガ】 | 値 |
グレイン・エフェクト | 強/大 |
カラークローム・エフェクト | 強 |
カラークローム ブルー | 強 |
ホワイトバランス | AUTO/R-3・B-9 |
ダイナミックレンジ | DR400 |
Dレンジ優先 | OFF |
トーンカーブ(ハイライト/シャドー) | +3/0 |
カラー | +4 |
シャープネス | -4 |
高感度ノイズ低減 | -4 |
明瞭度 | -4 |
この設定はなんと言ってもグリーンがかなり際立っているので、すこし緩和したい場合はホワイトバランスの赤の項目(Red)を0に近づけて調整してみてください。
また、室内撮影など高感度が必要な撮影の場合は粒子が余計に感じる場合があります!その場合はグレイン・エフェクトを弱めてみましょう。
⑤:ネオンや雨に濡れた路地ではシアンが特に美しい!
以下作例
設定可能カメラ
- X-T4
- X-S10
- X-E4
- X-T30 II
独特な古さを感じるシアンの色味が印象的なフィルム設定で、色が写真に与える影響を特に感じることができるものになっています!
80~90年代の時代を感じさせるような回顧感溢れるその色味は、人工灯に照らされた路地や雨に濡れた路地など、暗いシーンでの撮影で雰囲気のある写真を撮ることができます。
ノイズは量が多いながらも砂のように粒が小さく、マットな仕上がりになることが特徴。また、シャドーが適度に暗く程よいコントラストなので、柔らかでありながら絶妙に芯のある仕上がりになっています。
気になる設定はこちら!
設定項目【エテルナ ブリーチバイパス】 | 値 |
グレイン・エフェクト | 強/小 |
カラークローム・エフェクト | 強 |
カラークローム ブルー | 強 |
ホワイトバランス | AUTO雰囲気優先/R-7・B-6 |
ダイナミックレンジ | DR400 |
Dレンジ優先 | OFF |
トーンカーブ(ハイライト/シャドー) | +1/-2 |
カラー | +4 |
シャープネス | 0 |
高感度ノイズ低減 | -4 |
明瞭度 | -3 |
人工灯や雨天での撮影に適した設定として紹介しましたが、日中でももちろん使用することができます!その場合はホワイトバランスのRedを-6、Blueを-5にして撮影すると自然に馴染むはず。
カメラにEternaのブリーチバイパスverが搭載されていないモデルの場合は、カラーを2にしてハイライト/シャドーを0から微調整してみましょう。
⑥:荒廃した中で輝く”カラー写真”にはストーリーを感じずにはいられない!
以下作例
Wedding Day!
Lomochrome Metropolis recipe.
Fujifilm XT4
35mmf1.4 pic.twitter.com/gurZkf0od6— ձZZձՊ. (@azzamghazali) May 7, 2022
設定可能カメラ
- X-T4
- X-S10
- X-E4
- X-T30 II
撮影者が意図して切り取った部分を、鑑賞者の視線を自然に誘導することができるフィルムライクな設定です!
フジの誇るフィルムシミュレーション、エテルナ ブリーチバイパスの持つ特徴的な低彩度を細かくコントロールし、高コントラストかつ彩度を最大まで高めた設定でありながらも色が潰れないのはフジフイルム独自のカラークロームのおかげ。他にはない色表現でありながら、午後のデイタイムには自然に馴染む写真を撮影することができます。
気になる設定はこちら!
設定項目【エテルナ ブリーチバイパス】 | 値 |
グレイン・エフェクト | 強/小 |
カラークローム・エフェクト | 強 |
カラークローム ブルー | 強 |
ホワイトバランス | AUTO雰囲気優先/R+1・B-7 |
ダイナミックレンジ | DR200 |
Dレンジ優先 | OFF |
トーンカーブ(ハイライト/シャドー) | +1/+2.5 |
カラー | -2 |
シャープネス | -1 |
高感度ノイズ低減 | -4 |
明瞭度 | +4 |
風景と絡めて日中に撮影する用途に適していますが、自然光差し込む室内での撮影でも印象的な撮影ができます! コントラス及び明瞭度が強いので、使用するレンズの解像度によってはピント面がしつこく感じてしまう場合があります。
その場合は明瞭度とシャープネスの項目を調整し、不自然な印象にならないよう設定してみましょう!
まとめ
FUJI X weeklyのおすすめレシピを参考に、特徴の異なる6つのフィルム設定を紹介してきました!
気になる色味は見つかったでしょうか?
記事内でも触れているように、機種によっては設定できる項目が違うので、どうしても調整できない部分が出てきます。
今回紹介したものは、フィルムシミュレーション「エテルナ ブリーチバイパス」「クラシックネガ」の入った機種を中心に紹介しているので、これが入っていないと表現するのが難しいです。
ちなみに、上記2つのモードが入っているのは次の9機種。
- X-T4
- X-S10
- X-E4
- X-T30 II
- X-H2S
- X-H2
- GFX100
- GFX100S
- GFX50SII
※赤の機種は今回紹介した設定が全てできます。
また、赤色以外の5機種には、70年代の色表現を目指したフィルムシミュレーション「ノスタルジックネガ」が搭載されています。
こちらも注目なのですが、ノスタルジックネガの搭載機種はとても高額なため、今回のようにフィルム設定をカスタマイズして楽しむにはX-T4、X-S10、X-E4、X-T30 IIの4機種がコスパ抜群です。
そこで気になるのはこの4機種の違いですね!
これから購入検討・買い替えを考えている人は、下記の記事で詳しく解説しているので気になる方は是非ご覧ください。
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